急成長する「ジェンダーレス化粧品」市場参入するなら知っておきたいこと
男性モデルが起用された化粧品の広告、目にする機会が増えていませんか。
その広告からは「性別関係なく顧客を広げたい」という企業の戦略が伺えます。
プロモーションだけではなく商品企画の時点からジェンダーレスを意識しているブランドも多く、弊社へのご相談も増えているカテゴリです。
化粧品業界でもますます加速するとみられる“ジェンダーレスプロダクト”について、その市場と企画・販売にあたり押さえておくべきポイントをご紹介します。
「化粧品は女性のもの」という時代の終焉
Z世代を中心に性別関係なく化粧を日常的に使用する人が増えています。たとえばメンズ美容総研の調査※1によるとスキンケアする男性の比率は50代だと46%ですが、20代では81%と多数を占めています。さらに同調査では20代の男性の約4人に1人がメイクをしていることも明らかにしています。
スキンケアやメイクに関心をもつ男性が増えたことで、男性用化粧品の分野が急成長しました。男性専用の化粧品ブランドが新たに多数誕生し、百貨店でも専用コーナーが設けられるなど市場全体が拡大しています。
男性用・女性用から「ジェンダーレス」化粧品へ
そんななか、男性用・女性用とジェンダーを分けない「ジェンダーレス」に着目するブランドが注目を集めています。これまでの男性用ブランドではマットな黒のカラーに強めのロゴ。清涼感が強い香りといった、男性を彷彿とさせる商品が中心に展開されてきましたが、ジェンダーレスは誰でも手に取りやすい、あえてジェンダーを訴求しない点が特徴です。老舗人気ブランドもデザインや広告からジェンダーレスを意識したものに変えていくなど広がりをみせています。
「ジェンダーレスな化粧品」そのポイントとは
では、ジェンダー関係なく手にとってもらいやすい化粧品とはどんなものか。
カギとなるポイントについて考えていきます。商品企画の際にぜひご参考ください。
【香り】
古くから化粧品の香りの定番といえばローズ系ですが、すこし抵抗感を感じる男性が多いようです。またミントやハッカのような清涼感が強めの香りも使う人を限定しがち。最近では無添加のニーズもあり、あえて香りをつけない無香料が増えています。香りがあっても強めの甘さや強さは控えめにした、さっぱりとした香りが選ばれているようです。
【テクスチャー(スキンケア)】
男性用スキンケア商品にはオイリー肌でも心地よく使え、塗布したあともベタベタしないサラッとしたテクスチャーのものが多く展開されています。しかし最近では男性肌でも高保湿は必要なことが認知されつつあるため、保湿感はしっかりある商品でもジェンダー関係なく人気を得ています。保湿力や心地よさ(馴染み感)や、そのあとに使うコスメを邪魔しないべたつきのなさがポイントのようです。
【商品ラインナップ】
株式会社ネオマーケティングの調査※2によるとメイクを習慣にしている人のうち、男女ともに使用率が高かったアイテムは「化粧下地」「ファンデーション」「BBクリーム」といったベースメイクが中心という結果でした。この結果から考えるとコスメの場合はベースメイクアイテムだと幅広い方に訴求できるようです。
なお、スキンケアは美容液やナイトクリームといったプラスワンアイテムはターゲット層が限定されがち。忙しい方向けに根強い人気を誇るオールインワンや化粧水が選ばれやすいように見受けられます。
【デザイン】
ジェンダーレスを訴求するために、最も重要でもあると言えるデザイン。現在、ジェンダーレスを意識していると思われるプロダクトには白やグレー、黒といった色が多く、くすみもあるナチュラルな色味が中心になっています。またロゴも強さやかわいらしさは抑えて、ナチュラルでスタイリッシュなシンプルで自然な雰囲気のものが中心になっています。
商品企画は狙う年齢層によっても大きく変わるので、購買層はZ世代なのか、もしくは30、40代なのかを考えながら検討する必要があります。
化粧品の商品企画、プロモーションは専門家にお任せください
化粧品業界のジェンダーレス化は今後さらに加速すると予想されます。
競合ひしめく化粧品業界だからこそ、狙うべく方向性をきちんと見定めて戦略を立てる必要があります。
弊社には化粧品の商品企画、プロモーションを数多く行ってきた専門家が多数在籍しています。
まずはお気軽にご相談ください。
(参考)
メンズ美容総研の調査